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古材のリユースで新市場を開拓

60年以上前に建てられた古い民家を支えてきた立派な梁や柱。
これらは今まで解体後、ゴミとして捨てられていた。
古民家から出る古材に着目し、それを活かすシステムを創出して、全国に波及させている会社がある。

株式会社ヴィンテージアイモク
(愛媛県松山市)



建設リサイクル法が追い風に

 ヴィンテージアイモクの井上幸一社長は、松山市にある老舗材木店の二代目。新しい木だけで家を建て、古い家で使われていた木材はすべて捨てるという業界の常識に疑問を持ち、平成12年より県内で古材事業を開始するが当初は古材はどこにも売っていない。古材の流通システムがなく、解体現場に押しかけ解体工事の合間に古材を取り出して、解体業者から売ってもらっていた。しかし、翌年の平成14年、建設リサイクル法が全面施行されて状況は一変する。建築物の再資源化が義務付けられたために、これまでとは逆に、解体業者から「古材を買って欲しい」と殺到するようになった。当時、古材を取り扱っていたのは同社だけだった。そして平成16年、古材をリユースするフランチャイズ事業『古材倉庫』を立ち上げ現在は全国に106店舗の加盟店を有する日本で唯一のネットワークを築いている。

古材たち
再び活躍できる場を静かに待っている古材たち


古材をリユースする利点

 「日本の住宅の寿命は26年だけど、日本の木は伐ってから100年後に一番強くなるんですよ」と井上社長は説明してくれた。古材の強度はかなり高く、強度検査にも軽々と合格する。また、古材の活用は、建築廃材というゴミを出さないだけでなく、二酸化炭素排出量の削減にも貢献できる。例えば、すべての住宅建築において、その木材の15%を古材にすると、ブナの木に換算すると500万本以上になるという。これは京都議定書で日本に課せられた二酸化炭素削減量(6%)の3分の2に相当する。さらに、古材には、経年変化による独特の味わいがある。このため、新しい木材では出せないこの美しさに気づいて、お店や住宅に古材を使う人や建て替えに古い家の材を再利用する人が増えている。



慎重に古材を外していく古民家の解体現場

取り出された梁松(左)と松板(右)


フランチャイズで全国へ波及

 古民家を解体して古材を取り出すには、解体技術だけではだめで、材木の目利きが必要である。このノウハウは解体業者にはなく、同社では、解体して欲しいというお客様から直接工事を請け負うこととした。こうして、古民家を解体しながら古材を仕入れ、販売するというビジネスや古民家移住のマッチング事業も始めた。
 『古材倉庫』をネット配信すると、日本全国から解体と古材の仕事が舞い込んできた。同社だけでは対応できないほど。そこでフランチャイズを始めることとなった。最初は、材木屋さんを対象とした古材倉庫のフランチャイズから。これには古材の良さに同感してくれた全国の材木屋さんが次々と加盟してきた。次に、解体屋さんのフランチャイズも始めた。こうして古材流通の上流≠整備したが、使う場面がないと古材がどんどん貯まってしまう。そこで、古材を使ってもらう建築屋さんのフランチャイズも開始した。ビジネスとしての魅力から加盟店はさらに増え続けている。


古材倉庫


スペシャリストの認定制度

 古材ビジネスをするなかで培ってきたノウハウをフランチャイズ加盟店に資格として伝授している。解体屋さんには、いかにリサイクル可能な古材を取り出すかという「循環型民家解体士」。材木屋さんには、木の種類や傷、築年数などで買い取り価格がわかる「古材鑑定士」。建築屋さんには、古材を建築分野で再活用するための技術や施工方法を学ぶ「伝統資財施工技術士」(厚生労働省所管の公的資格)と「古材活用士」。不動産屋さんを中心に古民家の価値を鑑定する「古民家鑑定士」(厚生労働省所管の公的資格)。これらの資格試験を実施して、古材を扱うプロフェッショナルを育成している。公的資格は、東京と大阪での学術試験のみであるが、私的資格は同社での座学と実際に解体現場や施工事例で学ぶ技能研修などを受講することで取得できる。現在までに、公的資格は約350名、私的資格は、すべて合わせて約4,500名が取得している。

古材たち
特段CMはしていないが、
その取り組みにはマスコミも注目!


加盟店の社員を対象とした講義で
古材に関するあらゆる知識を
(ヴィンテージアイモク会議室)

誰でも簡単に、そして正確に鑑定できるように、
築年数、広さを入力するだけで
買い取り価格がわかるシステムを開発


新たな古材市場

 同社では、古民家から発生する古瓦、壁土、石、さらには、民具、建具、家具の価値にも注目している。昔の建築資材はしっかりしており、現代建築においても十分再活用できるものが多いという。実際、瓦は、きれいに洗って再利用する方法を考案してリユースできるようにしている。今後、これらの建築材でも新たなフランチャイズシステムや資格が生まれてくる可能性がある。
 「家族みんなを見守ってくれた家。そこにあった懐かしい梁や柱。これらが生まれ変わって新しい家にも使われる。泣いて喜んでくれます。私たちの仕事は、お客様に古材というモノを売るのではなく、想い出≠提供しているんです」と井上社長は力説した。

洋風のインテリアにも高級感を醸し出す
洋風のインテリアにも高級感を醸し出す

フランチャイズ加盟店も増加中(右が井上社長)
フランチャイズ加盟店も増加中(右が井上社長)


会社概要

潟買Bンテージアイモク(代表:井上 幸一)

〒790−8042 愛媛県松山市南吉田町2821−4
TEL:089−968−7768  FAX:089−968−7787
URL:http://www.k-aimoku.co.jp/vintage/
設  立:平成17年
資 本 金:1億4,250万円(資本準備金4,250万円)
従業員数:7名





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