概要
地域企業の海外展開の一層の促進や裾野を拡大するためには、企業相互の連携を促進し、海外展開の成功事例などを身近でタイムリーに入手できる場・環境を整えることが重要です。
このため、四国経済産業局では、企業の業種や規模、海外展開の内容や段階を越えて、様々な企業や支援機関が一堂に会する「四国地域海外展開応援フォーラム」の活動を展開しています。
その一環として、徳島県徳島市においてASEAN地域への海外進出をテーマに、事例紹介を含むパネルディスカッション形式で海外展開事例紹介セミナーを開催しました。
日時・場所
セミナー
平成29年10月17日(火曜日)13時30分から16時20分までとくぎんトモニプラザ 3階大会議室(徳島市徳島町城内2-1)
主催等
- 主催
- 四国経済産業局、JETRO四国4県貿易情報センター、中小企業基盤整備機構四国本部、JICA四国支部
参加者
39名開催内容
挨拶

13時30分から13時35分まで
主催者を代表して、四国経済産業局 岡本国際課長からの趣旨説明や挨拶のあと、講師の方々から海外展開についての事例紹介がありました。
その後、休憩の合間に交流会(名刺交換会)を挟み、JETRO徳島貿易情報センター 井田所長のコーディネートにより講師を交えてパネルディスカッションを行いました。
事例紹介
13時35分から15時05分まで(各30分)
- 三島食品株式会社 常務取締役 管理本部長 野口 英善 氏
-
赤しそのふりかけ「ゆかり」で知られる三島食品(株)は、海外展開当初、日本で製造した商品を海外で販売することに注力していたが、海外でビジネスを展開する中で、海外の市場ニーズに即した商品を海外で製造し販売する方向へと舵を切った。
中国に進出した日本企業が、人件費高騰などで次々と撤退する中、大連三島食品は、中国国内での売上を順調に伸ばしている。
「プロダクトアウトからマーケットイン(市場が求めるものを提供すること)へ」「少ないリスクで小さく生んで、大きく育てる」「パートナーの選定で事業の成否が決まる」といった経験に基づいたアドバイスがありました。
-
- 野口 英善 氏
- 1981年 三島食品(株)入社
1990年~2009年大連三島食品の総経理として、中国ビジネスに携わる
2010年より三島食品(株)管理本部長就任し現在に至る
- 株式会社オカベ 代表取締役会長 岡部 悦雄 氏
-
タイは親日的な国であるが、近年は人材の確保が難しくなっており、現在はタイ工場で働く従業員の半数がカンボジア人である。タイの製造拠点では、原料調達から製造・販売までを一貫して行っており、この一貫体制の構築が成功のポイントでもある。
タイ工場は、ハラル認証、ハサップ認証、ISO9001認証を取得しており、日本と同様の徹底した衛生管理を行い、大手企業のOEM生産などにも対応している。タイに進出した当時、毎日のように停電となって工場が稼働できず困った経験から、現地インフラの事前調査の必要性について説明がありました。
「小企業ならではの小回りの良さが、海外展開において、大きな強みとなる」と中小企業からの参加者にエールを送られました。
-
- 岡部 悦雄 氏
- 1974年に創業
1985年に株式会社に改組し社長に就任
2005年に代表取締役会長に就任
2013年に旭日小綬章受章
- 独立行政法人工業所有権情報・研修館 海外知的財産プロデューサー 柳生 一史 氏
-
海外での模倣被害の相手国は中国が最も多く、権利では商標権の被害が最も多い。商標は、権利化に係る費用が安価なことから、気軽に出願が行われている。
名刺に入っているロゴマークや、展示会などで配布するカタログなども、オープンにすれば模倣の危険が生じるので、模倣を防止するためには、早め早めに出願することが必要となる。国内で出願しても、海外で出願していなければ、海外で自由に使うことができるといったことは、海外展開企業に限らず、知財経営に取り組む全ての企業に知っておいていただきたい知財の基礎知識と言える。
-
- 柳生 一史 氏
- 国内食品・バイオ製造業で36年間勤務
米国に2年間駐在、ロシア関係会社の知的財産機能立ち上げにも従事
交流会(名刺交換会)
15時05分から15時35分まで
休憩の合間に交流会(名刺交換会)を行い、講師や参加者間で交流が図られました。
パネルディスカッション
15時35分から16時20分まで
コーディネーターのJETRO徳島貿易情報センター 所長 井田浩司 氏の司会進行により、「海外ビジネスのきっかけ」、「海外拠点での労務管理」、「知財流出の防止」等について、各登壇者から発言がありました。また、会場からも、海外拠点で働く従業員の雇用に係る課題や生産物賠償責任保険等についての質問があり、活発な質疑応答が交わされました。
- 井田 浩司 氏
- 海外調査部アジア大洋州課で5年間にわたりASEANの調査を担当
ミャンマー、インドネシア駐在を経て2014年から現職


予定
今後も、四国地域海外展開応援フォーラムの活動を引き続き展開する予定です。
- 愛媛県
- 平成29年12月15日(金曜日)13時30分から 愛媛県美術館(松山市)
- 高知県
- 平成30年1月開催予定
担当課
地域経済部 新事業推進課最終更新日:令和4年4月7日