ダンボールの「"おもしろい"で未来を拓く」
岡村剛一郎さん hacomo https://www.hacomo.com/

みなさんは、「ダンボール」といえば、何を思い浮かべますか?通常、荷物を送るときのハコ、引っ越しなどでしょうね。しかし、この地味なダンボールを使って、みんなが楽しくなるクラフト商品を作り出し始めた会社が香川県東かがわ市にあります。今回は、その会社、hacomoのCOO(最高執行責任者)、岡村剛一郎さんのお話を伺ってきました。-まずは、入社までの経緯から教えていただけますか。 岡村さん
-子どもの頃から、図画工作が好きでした。大学は理工系に進んだんですけど、就職にはそれほど積極的でなく、なんとなく就職しないといけないなぁと思っていたんです。ちょうどその頃は、世の中もエコや環境問題への意識が高まってきていて、面接を受けることにした富士ダンボール工業(株)(hacomo(株)の親会社)が取り扱う「ダンボール」も原料のほとんどが古紙で、製品も95%はリサイクルされていて、結構エコじゃないかなと思って面接を受けました。面接の時には、てっきり生産や工場管理とかの仕事の話をされると思ってたら、企画営業をやってみないかと言われて、おもしろいんじゃないかなと感じたんです。
そういうわけで約10年前に富士ダンボール工業に入社したわけですが、入社後は主にダンボール箱の「包装設計」の仕事を専門的にやってました。




変に考えたものは売れません。実際に失敗しています(笑)。それより、「おもしろいと思うモノ」を出す方がお客さんにも伝わります。実はhacomo plusシリーズでターゲットの年齢層をあげてみようとリアルな動物を作ってみたんですが、これが全然売れませんでした。ただ、売れなかったことは、それはそれで経験、ノウハウになります。一番ダメなのは、おもしろいことを考えずに待ちの姿勢でいることですね。

ブログも楽しく書くのがコンセプトです。チームの4名が毎日交代で更新するようにしていますが、仕事の中身に限らず、割とネタを広げてフリーに日常を綴っています。1つだけルールがあって更新を忘れた場合はみんなにジュースをおごることにしていますが、大体すっぽかす奴は決まっていますね(笑)。 -いまさらなんですが、hacomoのコンセプトを教えてください。 岡村さん -hacomoという名前の由来はhappy communicationからきています。ゲームやインターネットの普及により子ども達は手でモノを作る経験が少なくなっています。そんな子ども達に「モノづくり」の楽しさを知って欲しい、そしてそこから生まれるお父さんやお母さんとのコミュニケーションを大切にして欲しい、hacomoにはそんな思いが込められています。商品は子どもにも作れるように、糊やハサミを使わずに差し込むだけで簡単に組み立てられるようにしており、工作教室などにも力を入れています。夏休み期間中にはイベントに引っ張りだことなるので、5月から8月にかけてが忙しいですね。




全国各地で、イベントに大忙し!! -ところで、岡村さんはダンボール箱の包装設計からhacomoのCOOになられたのですね。随分、違うでしょうね。 岡村さん -ダンボール箱は、地域に産業があって成り立つ事業です。一般的には、100km圏内の産業(事業者)がお客さんになるといわれていて、富士ダンボール工業は、製薬や電池産業向けのダンボール箱を作っています。いわゆる「B to B」の事業です。一方、hacomoは、自動車ディーラーさんとかのノベルティ商品が多いとはいえ、「B to C」です。商圏も関係ないですし、全く違います。パッケージのつくりかた、値段の付け方、どこに売ればいいのかなど、最初は分からないことだらけでしたね。

そんな中でも、とにかく「hacomo」の名前を全国区にしたいですね。
今、電話をかけて「hacomoの岡村です」というと、「ハコモノ?岡村?」と聞き返されるんですよ(笑)。とりあえず、「ハコモ株式会社の岡村」って言うようにしましたけど...。
