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フードテック分野における「価値創造のマーケティング戦略策定」第1回ワークショップを開催しました

令和7年9月5日

四国経済産業局では、四国地域の食産業の価値向上を目的にフードテック支援事業を展開しています。近年、エシカル消費など、消費者の価値観が多様化しており、食の分野においても、味や価格、見た目だけでなく、環境・社会的な視点も重視されるようになっています。このような消費者行動の変化や市場の複雑化に対応するためには、企業が提供したい価値とは何か、どのようなターゲットにどう届けるのかといった、新たな価値の創造に向けた戦略が重要です。
本事業では、価値創造のマーケティング戦略の策定を支援するため、全4回のワークショップと個別面談を実施します。実施にあたっては、研究開発から事業創出の伴走実績が豊富な株式会社リバネスと、食領域のエコシステムビルダーである株式会社UnlocXが運営を担い、当局の関連施策とも連携を図ることで、単なる研修としてではなく、個の問いを起点とした事業のビジョン構築とマーケティング戦略立案手法を仕組み化することに重点をおいております。
今回は、その第1回目として、「すべての事業は“問い”から始まる」をテーマに、企業がなぜその事業に取り組むのかという根本的な問いを明確化するワークショップを開催し、全9社から多様なバックグラウンドをお持ちの皆様にご参加いただきました。

開催概要

日程
令和7年9月1日(月曜日)13時30分から17時40分まで
開催方法
対面開催
(会場:四国経済産業局(香川県高松市サンポート3番33号 高松サンポート合同庁舎))
講師
  • 株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平 氏
    東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻博士課程修了。博士(農学)。設立初期の2003年よりリバネスの運営に参画。実験教室、各種ライティングの実践を積んだ後、アグリ分野の先進技術開発・導入、地域創業エコシステム構築事業の立ち上げを行う。2014年にアグリテックグランプリ、2016年に熊本テックプランター、2018年に岡山テックプランター、2020年にフードテックグランプリを立ち上げ。大手・中堅企業やベンチャー、研究者等との連携による技術開発、事業開発に現場主義でコミットしている。
  • 株式会社UnlocX 代表取締役CEO 田中 宏隆 氏
    Panasonicを経て、McKinsey&Companyにてハイテク・通信業界を中心に8年間に渡り、成長戦略立案・実行、M&A、新事業開発、ベンチャー協業などに従事。17年シグマクシスに参画しグローバルフードテックサミット「SKS JAPAN」を立上げ。食に関わる事業開発伴走、コミュニティづくりに取り組む中で、食のエコシステムづくりを目指し2023年10月株式会社UnlocX創設。「フードテック革命」(20年/日経BP)、「フードテックで変わる食の未来」(25年/PHP新書)共著。
  • 株式会社UnlocX 取締役 住 朋享 氏
    クックパッドにて6年間、新規事業創出やスマートキッチン関連事業に従事。シグマクシスによるSKS JAPAN、Foodtech Venture Day(2019年-)を、それぞれ立ち上げ当初より運営支援、その後同社アドバイザリーを経て2022年参画し現在に至る。スタートアップスペシャリストとして国内外のスタートアップに精通し、カオスマップなどの業界インサイトを発信。東京大学大学院非常勤講師を兼務しスタートアップ流新規事業創出のカリキュラム設計、実施。スタートアップや大企業の新規事業支援実績多数。
主催
経済産業省 四国経済産業局
(企画運営:株式会社リバネス/株式会社UnlocX)

プログラム内容

開会/概要説明・自己紹介セッション

はじめに四国の食農の現在地として「各県が4者4様で品目特化の強力なブランドを有している」との視点が示されました。続いて、本ワークショップの目的として、単なる方法論ではなく、今後起こりうる複合的な社会課題に対応し、継続的に解決策を生み出す“仕組み”としてのマーケティング戦略の重要性が語られました。四国の課題を解くことが、結果として自社の成長に繋がるといった考え方です。
自己紹介セッションでは、ご参加の皆様から各社・各人の取組内容と「なぜ参加したのか」という意気込みをご共有いただきました。
(講師:株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平 氏)

  • ワークショップの様子の写真
  • ワークショップの様子の写真

<インプットセッション>

インプットセッションでは、未来のための良い問いを立てる練習として、得た知識は「How might we?(どうすれば~できるだろうか。)」という形式でメモをとり、チームに共有するというルールが設定されました。

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  1. 食農クラスターの本質と将来像(講師:株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平 氏)
    世界・国内の食農クラスターの歴史とその起源について紹介がされ、食農クラスターには中核組織の存在と、0→1(ゼロイチ)人材※の拾い上げが重要であることが示されました。
    ※0→1(ゼロイチ)人材:まだ世の中に存在しないアイデアやプロダクト、サービスを、構想段階から現実の形にして市場に届けるまでのプロセスを主体的に推進できる人材
    • ワークショップの様子の写真
  2. フードテックのグローバルトレンド(講師:株式会社UnlocX 代表取締役CEO 田中 宏隆 氏)
    「食」分野におけるグローバルな視点でのトレンドと、世界・日本の他地域での動きが紹介されました。また、食のイノベーションの背景として、食がもたらす社会課題や健康課題、食文化の喪失の現状と、食の多様化による市場変化についてご説明いただきました。
    • ワークショップの様子の写真
  3. 食の未来ビジョンとプロダクトのインパクト(講師:株式会社UnlocX 取締役 住 朋享 氏)
    「なぜ未来ビジョンを描くことが大事なのか」、VUCA時代の解き方として未来創造型アプローチの視点についてご説明いただきました。また、新たなプロダクトのターゲットとして、アーリー層へのアプローチの重要性を事例とともにご紹介いただきました。
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<講義>あなたの問いは何か?

なぜ「問い」が大事なのか、様々な「問い」から生まれた事業・企業の事例を紹介しながら、ご説明いただきました。地域資源や社会的背景と照らしながら、事業の起点を再解釈し、「問い」を明確化するために、QPMI(Question, Passion, Mission, Identity)の枠組みについてもご紹介いただき、このあとのワークに向けた考え方のご説明をいただきました。
(講師:株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平 氏)

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<ワークショップ>QPMIシートの作成とプレゼン

QPMIシートを用いて、「どうすれば廃棄物を減らせるのか?」「なぜ一次産業が儲からないのか?」「どうすれば商品の流通を増やせるか?」など、参加者全員が個人起点の「問い」のアウトプット行いました。技術起点、生活者視点、地域資源との接続、マクロ視点、新規事業挑戦等、多様な方向性の問いが見られ、講師の方々からはその問いをさらに深めるコメントが飛び交いました。
(講師:株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平 氏)

  • ワークショップの様子の写真
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担当課

地域経済部 製造産業・情報政策課