令和7年9月11日
オープンファクトリーとは、企業が自社の生産現場を一般に公開し、来訪者にものづくりの現場を直接体感してもらう取組です。この活動を通じて、自社のファンづくりや人材の確保・育成、商品開発、販路拡大など、企業の経営力強化や課題解決につながるだけでなく、ファクトリーツーリズムの推進など地域活性化への波及効果も期待されています。
今回、四国経済産業局ではオープンファクトリーセミナー「“みせる”が生み出す成長の可能性」を開催しました。本セミナーでは、オープンファクトリーを通じて地域を巻き込み、新たな価値を創出している各地のキーパーソンをお招きし、具体的な事例紹介やクロストークを通じて、オープンファクトリーの実践がもたらす効果や共創のヒントについて深掘りしました。オープンファクトリーが企業や地域にもたらす可能性について、参加者とともに考える機会となりました。
開催概要
- 日時
- 令和7年8月8日(金曜日)17時から19時30分まで
- 開催方法等
- ハイブリッド開催
<オンライン>Microsoft teams
<リアル会場>高松オルネ3階 TSUTAYA BOOKSTORE
(香川県高松市浜ノ町1-20 TAKAMATSU ORNE北館3F) - 参加実績
- 86名
- 主催
- 経済産業省四国経済産業局
内容
主催者挨拶
四国経済産業局新事業推進課長 松岡 正晃
オープンファクトリーを実践することによる社内外への効果や、各地で広がっている地域一体型オープンファクトリーについての全国における動向について紹介しました。また、現在、中小企業・小規模事業者に求められる役割や、乗り越えるべき課題について整理したうえで、オープンファクトリーに期待できる効果や機能について紹介しました。
講演
事例紹介1「四国から全国へ!瀬戸内をものづくりの聖地に」タナカ印刷株式会社 代表取締役/CRASSO実行委員会事務局長 田中 英城 氏(香川県東かがわ市)
香川県東讃地域における、人口減少という将来の社会課題に対する危機感をきっかけに、共通の課題を持った地域の事業者が協力し、工場見学を軸とした産業観光(ファクトリーツーリズム)イベント「CRASSO」について紹介いただきまた。また、「CRASSO」の実施によって得られた効果(集客や採用効果、メディアへの露出増加、他企業・他地域との交流事例創出など)について紹介がありました。
事例紹介2「町工場をエンタメに!アトツギたちの文化祭」株式会社友安製作所 ソーシャルデザイン部担当執行役員/FactorISM統括プロデューサー 松尾 泰貴 氏(大阪府八尾市)
オープンファクトリーを通じて、ものづくりや町工場のイメージを変えることによって、企業の経営課題(人材確保やブランディング等)を解決に取り組んでいる「FactorISM」について紹介がありました。「FactorISM」では、一社だけではなく複数の企業が連携するために、参画企業に対して共通のビジョンや目標を共有することで、推進力を持った組織運営を行っており、町工場のエンターテインメント化を実現した事例が語られました。FactorISMが行っている他地域・組織との共創事例も紹介いただき、町工場が町の変化の起点となる活動であるといった紹介がありました。
事例紹介3「造船鉄工祭-造船と鉄工の魅力再発見!-」株式会社プラス 代表取締役/造船鉄工祭プロデューサー 酒井 裕次 氏(広島県尾道市)
広島県尾道市の因島は、明治以降に「造船の島」(近代造船業の重要拠点)として発展し、現在も世界に誇る造船産業の拠点として活動していますが、競争の激化、人材不足、産業イメージの低下など多くの課題に直面し、変革を求められる時代になりました。「造船鉄工祭」では、「“地場産業”を再編集し、地域からリスペクトされる仕事にする」ことをミッションに掲げ、地場産業の体験や働く現場の開放、つながりを生み出す場を創出する取組を行っています。「造船鉄工祭」を通じて、地場産業の誇りを取り戻す取組やものづくりの魅力発信方法について紹介いただきました。

トークセッション「“みせる”が生み出す成長の可能性」
登壇者3名とファシリテーター1名によるクロストークを行い、オープンファクトリーによって従業員の意識変革が起きた事例や地域活性化の事例などについてお話しいただきました。

担当課
地域経済部 新事業推進課- 担当
- 安田、高橋
- 電話
- 087-811-8517