データで見る四国の知財 2022
四国の知財状況

 四国の特許の状況

 まず最初に日本全体の出願動向を見ると、日本国特許庁への特許出願件数は、2019年までは減少傾向にあるものの30万件を超える水準で推移してきたが、2020年から30万件を切り、2021年はほぼ前年並みの289,200件であった。
 内訳は、外国人の出願件数は前年比109%で66,748件と増加の傾向にあるが、国内居住者(内国人)の出願件数は前年比98%で222,452件と減少傾向であった。
 内国人出願件数のうち中小企業の出願件数が占める比率は2020年まで増加の傾向にあったが2021年は17.0%で2020年より0.5%減少し、中小企業の出願件数は前年比95%の37,875件であった。

 特許登録件数を見ると184,372件と微増であったが、内国人の登録件数が横ばいなのに対して、外国人の登録件数は前年比109%と増加の傾向にある。

 四国の特許出願件数は近年横ばいの傾向であったが2021年は四国の4県全ての県で減少し、トータルでは前年比88%の2,130件であった。
 全国の内国人出願に占める四国の出願件数の比率は約 1%。
これに対して四国の特許登録件数はほとんどの県で増加し前年比106%の1,538件であった。
 これらから、四国の企業においても特許出願時に厳選して出願していることや、企業における知的財産戦略において量から質への転換が着実に進んでいることが窺える。
 





 日本国特許庁を受理官庁とした特許協力条約に基づく国際出願(PCT国際出願)の件数は2019年まで増加傾向にあったが、2021年は49,040件となりほぼ横ばいであったが依然として高い水準を維持している。
内国人による特許出願に対するPCT出願比率は22%でこの比率は毎年着実に増加している。
しかし中小企業のPCT国際出願は全体の約10%で少しずつ増加してはいるものの、国内出願では内国人に占める中小企業の割合が約17%であることから、国内出願に比べて中小企業のPCT出願はまだまだ少ない状況である。

  四国におけるPCT国際出願は近年増加の傾向にあり、2021年は徳島県、高知県で増加したため前年比102%の455件であった。
四国の特許出願数に対するPCT国際出願数比率は約21%であり、全国では内国人出願に対するPCT国際出願の比率が約22%であることから、ほぼ全国並みの水準にある。






  四国の実用新案の状況

 日本全体での実用新案登録出願件数について、2020年はマスク等の技術が活発に考案されたため、前年比15%増の6,018件であったが、2021年は2019年とほぼ同程度の5,239件であった。
 実用新案登録件数は2021年は5,499件であった。

 四国の実用新案登録出願件数についても全国の傾向と同じように2020年は前年比158%と増加したが、2021年は前年比73%とほぼ以前の水準に戻っており、依然として減少の傾向にある。
 実用新案登録件数についてもほぼ横ばいであるが近年の傾向としては減少の傾向にある。








  四国の意匠の状況

 日本国特許庁への意匠登録出願件数は約3万件で推移。2021年は、前年比約2%増の32,525件。
このうち内国人の意匠出願は22,078件で出願全体に占める比率は約70%で外国からの出願が増加しているため全体の出願数は増加しているが、内国人の出願は減少傾向にある。
 意匠登録出願全体に占める国際出願は約10%であり、外国から日本に出願される国際意匠登録出願も前年比111%の3,303件と年々増加している。
内国人出願に占める中小企業の意匠登録出願は8,953件と内国人出願の約41%であり、特許出願の17%と比べると中小企業の比率が高くなっている。
意匠登録件数も27,490件で前年比104%と増加した。

 四国の意匠登録出願は前年比92%の480件。近年増加の傾向にあったが、2021年は多くの県で減少した。
 意匠登録件数は前年比102%の415件でほぼ横ばいであった。








 四国の商標の状況

 2021年の日本国特許庁への商標登録出願件数は前年比102%の184,631件であったが、内国人の出願は前年比98%と近年減少の傾向にあり、外国からの出願は前年比113%と年々増加している。
 なかでも国際出願からの出願が前年比112%と増加しており、出願全体に占める国際出願の比率は約11%になっている。
中小企業の出願は79,138件で、内国人出願に占める中小企業の出願の比率は約60%で、特許、意匠よりも高い比率になっている。
 商標登録件数は前年比129%の174,098件で2019年以降大幅に増加していることから、出願前の事前調査が充実してきた様に見受けられる。

 四国の商標登録出願においても、内国人の出願と同様の傾向でほとんどの県で減少し、前年比96%の1,774件であった。
 商標登録件数についてはすべての県で増加し、前年比121%の1,789件であった。
 出願件数がほぼ横ばいであるのに対して登録件数が大きく増加していることから、商標においても厳選して出願していることや事前調査が充実してきていること等が伺える。



 




 また、マドリッド協定議定書による国際出願についても国内出願と同様の傾向で前年比105%の3,196件と堅調な伸びを見せている。
しかし、四国における国際出願については2020年まで順調に伸びてきていたが2021年は増加した県もあるものの大きく減少した県もあり全体としては前年比62%と大きく落ち込んだ。
 
 






データは特許庁 特許行政年次報告書2022年版による


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