地域ブランドとは
地域ブランド化
 経済産業省は、2004年11月に開催された「知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会日本ブランド・ワーキンググループ(第1回)」において、地域ブランド化を「(Ⅰ)地域発の商品・サービスのブランド化と、(Ⅱ)地域イメージのブランド化を結び付け、好循環を生み出し、 地域外の資金・人材を呼び込むという持続的な地域経済の活性化を図ること」と述べています。
 また、経済産業省「平成25年度地域経済産業活性化対策調査報告書」において、「地域ブランドとは、単に地域の名前を冠した商品やサービスが売れる、あるいは地域のイメージが向上するということだけでなく、その両方を有機的に結び付けることにより好循環をもたらし、地域外の多くの人を惹きつけることで、地域に資金や人材を呼び込むという、持続的な地域の活性化につながる地域のブランドづくりと考えることができる」と説明しています。
【出所】知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会日本ブランド・ワーキンググループ(第1回)
経済産業省提出資料(2004年11月24日)

 さらに、青木幸弘「地域ブランドを地域活性化の切り札に」『ていくおふ』(Autumn2008No.124),ANA総合研究所,2008を引用し、「地域の背景にある自然や歴史、風土、文化、伝統などに根ざした「地域らしさ」、すなわち基盤としての地域性 を最大限に活用しつつ、個々の地域資源のブランド化を進めていくことが重要。地域に経済的価値をもたらすのは各地域資源ブランドであり、まずは強固な地域資源ブランドを確立し、あるいは、既に存在する強固な地域ブランドを活用しつつ、それを柱にして地域全体のブランド化につなげていくことが重要」と述べています。
地域ブランドの権利化
地域ブランドが、現在および将来においても親しまれ続けるためには、商標権等の権利取得を積極的に行うことで土台を固めつつ、ブランド構想に忠実に、消費者に特定のイメージを伝え続けることが必要であり、長期的かつ戦略的な取組みが要求されます。

地域ブランドを権利化するためには、商標制度や地理的表示保護制度(GI)を活用することが効果的ですが、特に、商標制度の中でも代表的なものが地域団体商標制度による権利化です。

下図は地域ブランド化と各制度の関係図です。
四国の地域団体商標の紹介
地域団体商標と地理的表示保護制度(GI)の違いについて
地理的表示保護制度(GI) 地域団体商標
保護対象(物) 農林水産物、飲食料品等(酒類等を除く) 全ての商品・サービス
保護対象(名称) 地域を特定できれば、地名を含まなくてもよい 「地域名」+「商品名」等
登録主体 生産・加工業者の団体(法人格のない団体も可) 農協等の組合、商工会、商工会議所、NPO法人
主な登録要件 ・生産地と結び付いた品質等の特性を有すること
・一定期間(概ね25年)継続して生産された実績があること
・地域の名称と商品が関連性を有すること(商品の産地等)
・商標が需要者の間に広く認識されていること
使用方法 地理的表示は登録標章(GIマーク)と共に使用(義務) 登録商標である旨を表示(努力義務)
品質管理 ・生産地と結びついた品質基準の策定・登録・公開
・生産・加工業者が品質基準を守るよう団体が管理し、それを国がチェック
商品の品質等は商標権者の自主管理
効力 地理的表示及びこれに類似する表示の不正使用を禁止 登録商標及びこれに類似する商標の不正使用を禁止
効力範囲 登録された農林水産物等が属する区分に属する農林水産物等及びこれを主な原料とする加工品 出願時に指定する商品若しくはサービス又はこれと類似する商品若しくはサービス
規制手段 国による不正使用の取締り 商標権者による差止請求、損害賠償請求
費用・保護期間 登録:90,000円(登録免許税)
更新手続なし
(取り消されない限り登録存続)
出願+登録:40,200円
更新:38,800円
(10年間、それぞれ1区分で計算)
申請先 農林水産大臣(農林水産省) 特許庁長官(特許庁)

四国の地理的表示(GI)の紹介

 地域には、長年培われた特別の生産方法や気候・風土・土壌などの生産地の特性により、高い品質と評価を獲得するに至った産品が多く存在しています。
 これら産品の名称(地理的表示)を知的財産として保護する制度が「地理的表示保護制度」です。

 GI 『善通寺産四角スイカ』
登録番号 第82号
登録年月日 2019年6月14日
登録生産者団体の名称 香川県農業協同組合
特定農林水産物等の区分 【第1類】農産物類 野菜類(すいか)
特定農林水産物等の名称 善通寺産四角スイカ
(ゼンツウジサンシカクスイカ)
Zentsujisan Shikakusuika
特定農林水産物等の生産地 香川県善通寺市

特定農林水産物等の特性
【品質】「善通寺産四角スイカ」は、一般的な丸いスイカとは異なり、サイコロ状の四角い形をした善通寺市で生産されたスイカの果実である。スイカの外皮は、縞がほぼ垂直で、整った縦縞模様であることから、美しい外観を有している。


 GI 『香川小原紅早生みかん』
登録番号 第54号
登録年月日 2017年12月15日
登録生産者団体の名称 香川県農業協同組合
特定農林水産物等の区分 【第3類】果実類 うんしゅうみかん
特定農林水産物等の名称 香川県小原紅早生みかん
(カガワケンオバラベニワセミカン)
特定農林水産物等の生産地 香川県

特定農林水産物等の特性
【品質】「香川小原紅早生みかん」は、香川県で発見された品種「小原紅早生」を用いて香川県内で栽培された温州みかんである。果皮の色は鮮やかな濃紅色で、国内で栽培される温州みかん約100品種の中で、果皮の色が最も紅いと言われており、その色は、品種登録の際の特性評価では、同種の温州みかんが濃橙であるのに対して、一段階高い紅(赤橙)として登録されている。果肉の色も濃橙色で、他の温州みかんとは、明らかに異なる形質を有している稀少な品種である。


 GI 『木頭ゆず』
登録番号 第42号
登録年月日 2017年年9月15日
登録生産者団体の名称 木頭ゆず振興協議会
特定農林水産物等の区分 【第3類】 果実類 ゆず
特定農林水産物等の名称 木頭ゆず(キトウユズ)
特定農林水産物等の生産地 徳島県那賀郡那賀町

特定農林水産物等の特性
【品質】 「木頭ゆず」は、那賀町木頭地区(旧木頭村)を中心に那賀町内で古くから栽培されていた在来のゆずから選抜・増殖され、那賀町内で生産されたゆずの総称である。「木頭ゆず」は果実が大玉で玉揃いがよく、果皮が厚く果皮障害であるコハン症の発生が少ないことから、外観が美しく、色や香りの良い高品質なゆずである。

 GI 『伊予生糸』
登録番号 第10号
登録年月日 2016年2月2日
登録生産者団体の名称 愛媛県西予市蚕糸業振興協議会
特定農林水産物等の区分 【第42類】生糸類 家蚕の生糸
特定農林水産物等の名称 伊予生糸(イヨイト)、Iyo Raw Silk
特定農林水産物等の生産地 愛媛県西予市

特定農林水産物等の特性
【品質】「伊予生糸」は他の産地の一般的な生糸と比べて、白い椿のような気品のある光沢があり、嵩高で、ふんわりと柔らかい風合いを有する。「伊予生糸」の最大の特徴は嵩高である。
「伊予生糸」の嵩高は、時間をかけて丁寧に糸を繭から引き出すため、蚕がS字状に吐いて作った糸の繊維のうねりがそのまま残ることによって生じる。その結果、「伊予生糸」は他の生糸(流通規格の箱が30kg)と比較して、体積当たりの重量は2/3(20kg)以下になる。


TOP