フードテック分野における「価値創造のマーケティング戦略策定」
第4回ワークショップを開催しました
令和7年12月25日
四国経済産業局では、四国地域の食産業の価値向上を目的にフードテック支援事業を展開しています。本事業では、価値創造のマーケティング戦略の策定を支援するため、全4回のワークショップと個別面談を実施します。運営は、研究開発から事業創出の伴走実績が豊富な株式会社リバネスと、食領域のエコシステムビルダーである株式会社UnlocXが担い、当局の関連施策とも連携。単なる研修にとどまらず、個の問いを起点とした事業のビジョン構築とマーケティング戦略立案手法の仕組み化に重点をおいています。
これまで、第1回では”自分の問い”を掘り下げ、第2回ではアーリーアダプター視点で“誰にどのような価値を届けるか”を検討し、第3回では実証・テストマーケティングを見据えたストーリー設計やチャネル選定を行いました。今回の第4回では、これまで育ててきた価値創造の成果を発表し、発信力を強化することを目的に開催しました。
開催概要
- 日程
- 令和7年12月9日(火曜日)13時30分から17時30分まで
- 開催方法
- 対面開催
会場:愛媛県県民文化会館(愛媛県松山市道後町2丁目5-1) - 講師
-
- 株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平 氏
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻博士課程修了。博士(農学)。設立初期の2003年よりリバネスの運営に参画。実験教室、各種ライティングの実践を積んだ後、アグリ分野の先進技術開発・導入、地域創業エコシステム構築事業の立ち上げを行う。2014年にアグリテックグランプリ、2016年に熊本テックプランター、2018年に岡山テックプランター、2020年にフードテックグランプリを立ち上げ。大手・中堅企業やベンチャー、研究者等との連携による技術開発、事業開発に現場主義でコミットしている。 - 株式会社リバネス 人材開発事業部 / 投資育成研究センター 岸本 昌幸 氏
サイエンスブリッジコミュニケーター® 高知追手前高校卒業後、高知大学大学院 総合人間自然科学研究科修士課程を修了し、修士(理学)を取得。数学者が活躍する社会の実現を目指し、株式会社リバネスに参画。研究者・企業・地域社会を繋ぐ架け橋として、次世代育成や課題解決に取り組む。高知県では超異分野学会を立ち上げ、地元企業や研究者、ベンチャー企業と連携した新事業創出に貢献。滋賀県では産官学金が協働するコンソーシアムの運営を通じて産業創出エコシステムの実現を推進。科学的アプローチを活かし、多様な分野のプレイヤーを巻き込みながら、生み出された概念に誰もが手を伸ばせる世界の創出を目指して活動を展開中。 - 株式会社リバネス 製造開発事業部 内田 早紀 氏
早稲田大学院大学 先進理工学研究科応用化学専攻修了、修士(工学)。大学在学時は、食分野のサービスを立ち上げ、大手事業会社での研究開発経験を有する。リバネス入社後、TECH PLANTER フードテックグランプリを運営。食分野に関するベンチャー・研究者・大手企業との幅広いネットワークを有する。また、経営企画室に所属し、自社の広報活動やブランディングを手掛ける。 - 株式会社UnlocX 代表取締役CEO 田中 宏隆 氏
Panasonicを経て、McKinsey&Companyにてハイテク・通信業界を中心に8年間に渡り、成長戦略立案・実行、M&A、新事業開発、ベンチャー協業などに従事。17年シグマクシスに参画しグローバルフードテックサミット「SKS JAPAN」を立上げ。食に関わる事業開発伴走、コミュニティづくりに取り組む中で、食のエコシステムづくりを目指し2023年10月株式会社UnlocX創設。「フードテック革命」(20年/日経BP)、「フードテックで変わる食の未来」(25年/PHP新書)共著。 - 株式会社UnlocX 取締役 住 朋享 氏
クックパッドにて6年間、新規事業創出やスマートキッチン関連事業に従事。株式会社シグマクシスが2019年より主催するフードテックイベント「SKS JAPAN」「Foodtech Venture Day」を、それぞれ立ち上げ当初より運営支援。その後同社アドバイザリー等を経て、株式会社UnlocXに参画し現在に至る。スタートアップスペシャリストとして国内外のスタートアップに精通し、カオスマップなどの業界インサイトを発信。東京大学大学院非常勤講師を兼務しスタートアップ流新規事業創出のカリキュラム設計、実施。スタートアップや大企業の新規事業支援実績多数。
- 株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平 氏
- 主催
- 経済産業省 四国経済産業局
(企画運営:株式会社リバネス/株式会社UnlocX)
プログラム内容
1.イントロダクション
第4回ワークショップは、これまで検討してきたマーケティング戦略のすべての要素を統合し、完成度を高めることを目的としています。
まず、第1回から第3回のワークショップで積み上げてきた要素である「問い」「市場仮説」「検証計画」を改めて確認しました。
講師:
株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平 氏、
株式会社リバネス 人材開発事業部 / 投資育成研究センター 岸本 昌幸 氏
2.参加者によるショートプレゼン及び講師陣からのフィードバック
続いて、各参加者による戦略のプレゼンテーションを行い、①なぜあなたがこれをやるのか、②誰のどんな「不満」「充足されてないこと」なのか、③そのユーザーはどう変わるか、④その景色を実現するための「あなたの解決策」、⑤次にどの一歩を踏み出すか、について発表。
その後、講師陣から個別にフィードバックを受け、参加者はその内容をもとにプレゼンテーションをさらにブラッシュアップしました。
講師:
株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平 氏、
株式会社リバネス 人材開発事業部 / 投資育成研究センター 岸本 昌幸 氏
株式会社リバネス 製造開発事業部 内田 早紀 氏
株式会社UnlocX 代表取締役CEO 田中 宏隆 氏
株式会社UnlocX 取締役 住 朋享 氏
3.次の一歩の宣言
最後に、参加者より「次の一歩をどのように進めるか」について宣言を行い、これまでのワークショップで検討した「試すべき仮説」と「どう試すか」を一本に絞り込み、PoC(概念実証)の目的、対象、実施方法を明確に提示しました。
加えて、講師陣より全4回を通じて共有してきた基本姿勢である、「先生はいない」「How might we?」「自分を主語にする」を再確認し、参加者とともに目指す未来像を共有しました。
参加者からは、ワークショップへの参加を終えて、「漠然としていた課題意識が、ワークショップを通して具体的な打ち手・対策に落とし込めるようになった」、「思考する際の『当たり前』になっていて考えもしなかったことを、改めて俯瞰で見直して定義することができた」といった声が寄せられ、学びの深さを実感する場となっています。
今後は、令和8年1月に開催するテストマーケティングやピッチイベントで、ワークショップで磨き上げた戦略を発表します。
関連情報
- フードテック分野における「価値創造のマーケティング戦略策定」第1回ワークショップを開催しました
- フードテック分野における「価値創造のマーケティング戦略策定」第2回ワークショップを開催しました
- フードテック分野における「価値創造のマーケティング戦略策定」第3回ワークショップを開催しました




