- 業種
- 塩製造業
- 従業員
- 1~50人
- 建物区分
- 工場
- 階数
- 地上1階
- 延床面積
- 1,469.27㎡
企業概要
室戸海洋深層水株式会社は、会社設立時より海洋深層水を主原料として、塩とにがり、飲料水の製造販売を行っています。

省エネ推進の「きっかけ」について
当初、室戸海洋深層水株式会社の商品である海洋深層水を主原料とする塩とにがりを流下ネット方式や結晶ハウスでの塩づくりを行ってきましたが、塩分濃度を凝縮する工程で非常に日数がかかること、また化石燃料(A重油)を非常に多く使う、という問題点を抱えていました。 この問題を改善すること、また他社にない商品をつくることを目的に計画を立て、省エネルギー対策に取り組み始め、現在に至ります。

主な省エネルギー活動内容について
最初の取り組みとして、高知工科大学との共同研究で、機械装置の開発をスタートさせました。海水の塩分濃度は3.2~3.5%であるため、ここから逆浸透膜でどこまで塩分濃度を上げられるかということがネックでした。それについては、平成23からの2年計画で10%まで海水塩分濃度を上げるという取り組みを行い、平成24年度に成功しました。 次に、従来の一般的な減圧装置ではなく、蒸気を循環させ、排熱を利用したシステムを作ろうと考えました。その際に、国のものづくり補助金がありましたので、補助金を活用し装置を作ることにしました。通常の減圧装置の場合、温度が下がってくると加熱する必要がありますが、今回の減圧装置はヒートポンプを採用し、減圧・沸騰後の排蒸気をヒートポンプ側に送り再加熱し、蒸気釜に送り込むという循環システムを採用しています。
省エネ効果について
平成22年当時年間415kL程度のエネルギー使用量から、平成27年度に80kLを切るほど非常に大きな省エネを行うことができました。全体のエネルギーとして76%、濃縮工程では93%のエネルギーの削減に成功しました。
今回活用した補助金情報
今後の展望について
CO2を全く出さない、地球環境に優しい工場を作ることを大きな目的としており、今回減圧濃縮の装置を導入したことによって、それが可能となってきました。当然、太陽光発電の導入も視野に入れていますが、工場全ての電気を賄うことは不可能であるため、工場で使われる電気の3分の1程度を太陽光発電で発電をし、自家使用で使う取り組みや、夜間や雨天時など、残りの3分の2の電気については、四国電力から電気を購入する取り組みを行うことによって、将来的にはCO2を全く出さない工場を目指して頑張りたいと思います。これについては、4~5年後を目途に導入したいと考えています。
- 活用した補助金
平成25年度補正 中小企業・小規模事業者・ものづくり・商業・サービス革新事業 経済産業省 - エコキュートとは
一般財団法人 ヒートポンプ・蓄熱センター