省エネ優良事例集2020 l 三浦工業株式会社

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全員参加の「草の根運動」で省エネ大賞受賞

省エネ手法キーワード

  • 運用改善
  • 省エネ診断
  • 既設設備の更新
  • インバータ化
業種
ボイラ製造業
従業員
グループ5,920名
(2020年3月31日現在)
建物区分
工場
受賞歴
https://www.miuraz.co.jp/winning/index.html
2019年度省エネ大賞(省エネ事例部門 省エネルギーセンター会長賞)
2019年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門 資源エネルギー庁長官賞)
2019年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門 省エネルギーセンター会長賞)

企業概要

三浦工業株式会社は、愛媛県松山市に本社を置き、主にボイラ及び関連機器等の製造販売・メンテナンスを手がける企業です。さらなる環境負荷低減を目指し、さまざまな製品の省エネ・省資源・優環境を追求、実現しています。2019年には、自社開発のボイラ給水加温ユニットVHとRO装置MRO-CG型、が、省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)を受賞。また「全員参加の草の根運動による省エネ活動」が、省エネ大賞(省エネ事例部門)を受賞しました。

三浦工業株式会社空撮

省エネ推進の「きっかけ」について

ミウラグループの環境方針を実現するために、「全員参加の草の根運動」を展開しています。活動の分岐点となったのは省エネ法の事業者クラス分け評価制度でした。これまでのやり方ではSクラス(省エネが優良な事業者)を維持できない可能性が出てきたことから、草の根運動を全従業員及び経営層に理解してもらうとともに、より効果を上げるために、もともとあった「省エネ分科会」の組織を再編成し、サポート体制を強化することにしました。

ミウラグループ環境委員会組織図。経営会議、社長執行役員、環境トップマネジメント、環境委員会、環境管理責任者、環境管理部事務局、省エネ分科会、公害防止分科会、化学物質管理分科会。

主な省エネルギー活動内容について1 ~全員参加の「草の根運動」~

再編成した「省エネ分科会」は、製造やスタッフ、設計、営業支援部門などのすべての職種から11名で構成され、協議以外に省エネ実務も行う体制となりました。全従業員が参加する「省エネコンテスト」の効果を最大限に引き出すため、省エネ分科会11名がサポートして、草の根運動を展開しています。
草の根運動の具体的な取り組みとして、(1)従業員への意識改革、(2)省エネの見える化、(3)日々の省エネアクションを行っています。
(1)従業員への意識改革
2009年にeco検定合格者1000名を目標に掲げる「eco仙人プロジェクト」を立ち上げました。その翌年(2010年)には目標を達成し、エコユニットアワード「優秀賞」を受賞しました。
その後もeco検定の受験を推進し、2019年にはeco検定合格者が1909名(国内社員の47%)となりました。
(2)省エネの見える化
「みんなで省エネ」というポータルサイトを作成し、全国の拠点、工場内の部門ごとに、エネルギー使用量の実績・前年比をグラフ化して、自分たちの活動の結果が閲覧できるようにしました。
各部門は、毎月目標を達成しているかどうかを確認して、PDCAサイクルを回しています。
(3)日々の省エネアクション
毎月1日を省エネの日とし、本社及び北条工場の従業員2,149名に対して社内放送を行い、個人でできる具体的な省エネ活動や省エネコンテストへの応募等を呼びかけています。「省エネコンテスト」は、投稿と評価を習慣づけるため、全従業員が見ることができるポータルサイトから投稿する仕組みと、活動に共感した場合に「いいね」ボタンで評価できるようにしています。

  • 三浦工業株式会社 社内放送
  • ポータルサイトの画面を表示したパソコン

主な省エネルギー活動内容について2 ~省エネコンテストの活動事例~

「省エネ分科会」のメンバー全員で、エア漏れ探知器を使い、工場内のエア漏れパトロールを実施しました。これにより、ホースやカプラーのねじ込み部分の緩みや、エア制御の出しっぱなし箇所等を特定できました。不具合を改善することで、1年あたり2.84KLのエネルギー削減効果を得ました。
また、省エネ分科会の分析チームがエネルギー計測器を用いて、コンプレッサーの稼動を診断しました。診断の結果、複数台のコンプレッサーに対して、時間帯における空気量と容量、全体の稼働率を鑑みて、低負荷の時間帯には、2台のうち1台を停止するように提案しました。さらに将来の効率的な稼動を見込んで、インバータ機の導入に対するメリットを提案し、機器の更新に至りました。その結果1年あたり32.76KLの削減ができました。
その他、ポンプの吐出圧力・流量を手動でバルブ調整していたところを、計測器による負荷分析を行いました。その結果、ノズルからの吐出圧力・流量とポンプモーターの稼働に無駄があったことが判明したため、インバータ制御を導入し自動制御することにより1年あたり7.63KLの削減ができました。これらの活動は、社内の「省エネコンテスト」で高評価を得ました。

  • エア漏れ探知器
  • エア漏れパトロール
  • エアコンプレッサー電力料金。2017年3月、年間4522000円。低負荷の時間帯に2台のうち1台を停止。2018年3月、年間3758000円。インバータ制御のコンプレッサーに更新。2018年4月、年間1975000円。電力料金前年度比年2547000円ダウンで56%ダウン。

省エネ効果について

草の根運動による改善活動件数は256件、全体の省エネ効果は3年間で216.57KLでした。これは、同社の年間平均エネルギー使用量6,851KLの約3.16%に相当する効果となりました。事業者クラス分け評価制度では、2019年度時点で、4年連続Sクラスを達成しました。また、社内では一人ひとりの省エネ意識や部門枠を超えたコミュニケーションも高まりました。

  • 省エネ効果2020年度見込み。溶接機省エネ対策4、.97キロリットル。クランプシーマ裏当て水循環省エネ対策、0.08キロリットル。第6工場屋根散水省エネ対策、0.17キロリットル。空調設備の省エネ1、不要な空調を停止、3.96キロリットル。空調設備の省エネ2、空調の稼働を1台に、1.78キロリットル。冷凍機入替とデマンド制御による省エネ、10.00キロリットル。コンプレッサーのオーバーヒート及びBCP対策、9.26キロリットル。合計30.22キロリットルの省エネ効果。

今後の課題と展望について

今後の課題と展望について

有志による「省エネ改善チーム」を自発的に発足した拠点もあり、活発な省エネ活動を継続しています。今後も、省エネ改善を継続し、「草の根運動」を通して「省エネコンテスト」を盛り上げ、Sクラスの維持に努めていきます。

会社概要
会社名
三浦工業株式会社
住所
愛媛県松山市堀江町7番地
電話番号
089-979-7105(環境管理部)
ホームページ
ポイント!
  • 受賞歴
    【2019年度省エネ大賞(省エネ事例部門)受賞】全員参加の「草の根運動」による省エネルギーの推進

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