- 業種
- 設備工事業
- 従業員
- 1,830名(全社)
- 建物区分
- 社屋
- 活用した補助金等
- 平成30年度二酸化炭素排出抑制事業費等補助金(業務用施設等におけるネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化・省CO2促進事業)
企業概要
ダイダン株式会社は、120年の歴史を持つ電気・空調・給排水衛生設備の設計・施工を行う総合設備企業です。 多様化・複雑化する社会に、人々がより安全で快適に暮らせる環境を提供し続けることが責務と考え、「光と空気と水を生かす」をキャッチフレーズに 建物の生命と人の生命を生かす「空間価値創造」企業を目指しています。

省エネ推進の「きっかけ」について
2011年の東日本大震災を契機にエネルギーの重要性を再認識し、ZEBを実現させる技術・運用に対する取組をしてきました。 一方でZEB普及の観点では省エネルギーに加えて、経済性や働く人の快適性を含めた課題を解決する必要がありました。 そこで、顧客に対しZEBや省エネ関連の提案支援、付随する補助金事業の提案支援をするため、自社を実証フィールドとして、 2019年に香川県高松市にある四国支店の社屋「エネフィス四国」を完成させました。

主な省エネルギー活動内容について①
設計施工時に導入した主な技術として、地中熱を利用。アースチューブを地中に埋設し、基礎坑内に地中熱を採り入れるための配管を設置しました。
採り入れた地中熱をスラブ内及び外壁内の配管に送ることで、躯体蓄熱による省エネを実現しました。
ここから得られる地中熱は、躯体に直接送水または地中熱ヒートポンプに利用しています。
さらに、外気の影響を受けにくいよう、Low-Eガラスを採用した上、東西面の開口部を減らし南側に深い庇を設けることで、熱負荷を抑制できるよう工夫しています。
主な省エネルギー活動内容について②
設備面では、太陽光パネルと蓄電池を設置するほか、さまざまな設備を導入しています。
オフィス内は、自社で開発したタスク・アンビエント照明及び地中熱エネルギーを併用したタスク・アンビエント空調を採用。場所に合わせて必要な明るさや室温に調整できるようにしました。
さらに運用改善にも取り組んでいます。自社でクラウド型自動制御・監視システムを開発。
これにより、いつでもどこからでも設備の操作や使用状況の閲覧が可能になり、さらにエネルギーマネジメントシステムとしても活用しています。
また、働く人の快適性も重視し、オフィス内では視界に占める植物の割合(緑視率)を高めることで緊張の緩和と作業効率の向上を図るため、積極的に緑を取り入れたバイオフィリックデザインを導入しています。
省エネ効果について
これらの建築技術と運用改善により、2019年度の電力削減量は120,882kWh、約240万円の経費削減となりました。
また、ZEBの達成に加え、BELS5つ星、CASBEE(新築)Sランク、DBJ Green
Building認証4つ星、第9回カーボンニュートラル賞(中国・四国支部)等、環境配慮に関して高い評価を得ています。
今回活用した補助金情報
今後の課題と展望について
更なる省エネルギー化と快適性を実現する技術の深化、環境活動のPR推進、誰もがZEBを設計できる普及型ZEBの基盤技術化に取り組んでまいります。
省エネルギーに取り組む事業者へアドバイス
自社の経験を活かし、顧客に対してZEB関連や省エネ関連の補助事業の提案や支援ができるようになりました。ビジネス面でもメリットがある点で、早くからZEB化に取り組んでよかったと思います。
- 平成30年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(業務用施設等におけるネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化・省CO2促進事業)