- 業種
- 食品製造業
- 従業員
- 110名
- 建物区分
- 工場
企業概要
香川県さぬき市にある株式会社木村ホールディングスのグループ会社、株式会社木村海産は、水産加工品の製造販売会社です。国内では、全国の産地商品の取り扱いをしており、主に太平洋側に産地が点在しています。原材料の仕入れについては、日本のみならずアジア・東南アジアにも仕入れルートを確立しています。本社工場では、主にちりめん、佃煮、煮干しを製造・加工しており、高品質の製品を作るために、最新の設備を導入しています。

省エネ推進の「きっかけ」について
工場設備では、原料を保管するための冷凍庫、製造を行うための各種機械、照明、パソコン等を含め多くの電力を使用します。日々の製造を通じて、「限りある資源を少しでも無駄なく使おう」と考え、省エネに取り組むことにしました。まずは、一般財団法人省エネルギーセンターによる省エネ最適化診断を受診し、そこで提案を受けた中で、できることから省エネ活動を始めました。

省エネ最適化診断とは
経済産業省資源エネルギー庁では、中小企業等の省エネ取組を支援するため、省エネの専門家が中小企業等を訪ね、エネルギー使用の改善をアドバイスする「省エネ診断」を安価で受けられるよう支援する制度を設けています。
省エネ最適化診断においては、エネルギーのムダを総合的に判断し、運用改善、投資改善について、診断先に最も効果的な改善内容を提案します。また、脱炭素化へ向けて再エネ提案も実施します。
主な省エネルギー活動内容について①
運用面では、コンプレッサーの吐出圧力とエア漏れの低減、ボイラーの空気比を適正化するなど改善を行うことで、重油や電力の使用量を削減しました。
常に電力を消費する冷凍庫については、外気温や中に入れる商品の種類に応じて、品質を十分に保ちつつ冷やし過ぎない温度設定に見直しました。また、ディマンド調整を行うことでピーク時の電力を調整しています。
主な省エネルギー活動内容について②
少しずつ設備投資も行いました。新工場の建設を機に、冷凍庫の扉にエアーカーテンを設置。冷凍庫の開閉時に冷気が逃げにくくなり、電力のロスを減らすことができました。
また、ボイラーの蒸気バルブに保温材を取り付けることでエネルギーの効率化を図りました。
そして、照明をLEDに更新しました。
省エネ効果について
提案内容について、できることから取り組んだことで、エネルギー使用量を削減することができました。
照明のLED更新については、既存の照明器具に比べて約30%の電力量削減となり、年間電力量で計算すると8,764kWhの削減になります(1日8時間点灯、毎月23日稼働として)。
また、今回の取り組みを機に省エネ設備を検討する中で節水にも目を向けるようになり、節水シャワーヘッドを導入しました。資源を大切にする気持ちが芽生えたことで、商品にも従来のプラスチック容器から再生可能な容器を採用するなど変化がありました。
今後の課題と展望について
工場運営において、より良い製品作りを行うために必要なコストはかけつつ、その中で「もったいない」と感じる事が重要であると感じています。いきなり大きな成果が出るわけではありませんが、日々の製造の中で継続して取り組みを進めていきます。
省エネルギーに取り組む事業者へアドバイス
省エネの取り組みを通じて、資源を守ることに意識が向くようになりました。自社で取り扱うシラスなどの水産物も有限の資源であり、今後の企業のあり方を考えるきっかけになりました。次の世代にバトンを渡すためにも、省エネ活動は有効だと感じています。
- 一般財団法人省エネルギーセンターによる省エネ最適化診断
https://www.shindan-net.jp/